コラム一覧

動物取扱責任者研修について

動物取扱責任者研修は、動物の愛護及び管理に関する法律第22条第3項及び動物の愛護及び管理に関する法律施行規則第10条に定める法定研修です。
年度ごとに研修項目は異なり、
2016(平成28)年度は、「動物の問題行動」、「動物を飼養管理する際のにおいの基礎と対策」が、
2017(平成29)年度は、「動物の感染症」、「動物取扱業における災害時の危機管理」が、
それぞれテーマとなりました。
「動物取扱業における災害時の危機管理」は、BCP(事業継続計画)にウェートがおかれていました。

2017年06月30日

ペットのしつけ教室等を営むには都道府県知事への申請が必要です。

昨今、ペット関連の教育団体(通信講座・通学講座)が実施する各種講座も盛況なようです。これらの講座を修了すると、ペット関連の民間資格を得られるようになっており、ペット関連の民間資格は乱立状態です。加えて、各団体ともに、就業や開業に有利ということをうたっています。

 しかし、ペットのしつけ教室やペット預かり業などを始めようとするには、2015年12月26日付け記事「第一種動物取扱責任者研修申込から登録まで(1)」で述べましたように、必ず、動物取扱責任者となる職員を選び、その職員に都道府県が実施する動物取扱責任者事前研修を受けさせ、そのうえで、事業所の所在する都道府県知事に申請して、第一種動物取扱業の登録を受けなければなりません。しかも、この動物取扱責任者となるためには、定められた次の条件を満たしていなければなりません。

動物取扱責任者事前研修を受けようとする者(または、経営者が研修を受けさせようとする職員)は、次の受講資格を有していることが必要です。
(1) 登録のある事業所で実務経験が6か月以上あること、または、
(2) 学校その他の教育機関(犬の訓練学校、動物のトリマー養成学校、獣医師、高校(畜産科)など)を卒業していること、または、
(3) 環境省が認める、公平性・専門性を持った団体が行う試験によって、知識及び技術を習得していることの次の証明(資格)を得ていること(一例)。
 ・愛玩動物飼養管理士(1級、2級)〔公益社団法人日本愛玩動物協会〕
 ・公認訓練士〔公益社団法人日本警察犬協会〕
 ・実験動物技術者(2級)〔公益社団法人日本実験動物協会〕
 ・動物看護士(3級)〔公益社団法人日本動物病院福祉協会〕
・ペットシッター士〔特定非営利活動法人日本ペットシッター協会〕
など。詳細は2015年12月26日付け記事「第一種動物取扱業申請手続(1)」をご覧ください。

 ペット関連の教育団体の中には、修了時に得られる資格は、動物取扱責任者研修受講資格として認められていないこと、開業を希望するときは、まず、この教育団体の関連ペットショップなどで6か月以上の経験を積む(前述の動物取扱責任者事前研修受講資格(1)に該当。)か、又は、この教育団体の提携する団体が認定する資格(環境省が例示している資格)を得るようにと、はっきり明示しているものもありますが、資格と動物取扱業の関係について分かりやすく明示していない団体も多数、見受けられます。

 受講申し込みをする前に、開講している講座の修了試験が在宅受験か会場受験か、スクーリングの有無なども含めて、十分に調べておかれることをおすすめします。

2016年01月11日

「人と動物の共生」と伴侶動物(3)

なお、動物の愛護及び管理に関する法律の前身の法律である動物の保護及び管理に関する法律を制定する際の国会審議過程での立法趣旨説明はどのようなものだったか、次にご紹介します。長文ですが、お付き合いください。

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第071回国会 内閣委員会 第44号
昭和四十八年七月十九日(木曜日)
   午前十時五分開議

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○三原委員長 この際、動物の保護及び管理に関する法律案起草の件について議事を進めます。
 御承知のとおり、本件につきましては、先般来理事会等におきまして協議を続けてまいりましたが、その結果に基づき、加藤陽三君、大出俊君、鈴切康雄君、受田新吉君から、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四派共同をもって、お手元に配付いたしておりますとおり、動物の保護及び管理に関する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。
    ―――――――――――――

○三原委員長 この際、その趣旨について説明を求めます。大出俊君
○大出俊議員 動物の保護及び管理に関する法律案の起草案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 動物は、古くから人間の生活に必須のものとして、人の衣食の用に、使役に、そして愛玩用に供されてきましたし、また、人の健康の保持のために、科学上及び医学上の研究実験の用に供されるなど人類の生存、福祉及び発展に貢献してきましたことは、御承知のとおりであります。
 しかるに、わが国では、これら動物に対する取り扱いが科学研究用、食用及び観賞用において、また、愛玩用においてさえ往々にして適切な配慮を欠き、そのため動物に不必要な苦痛を与えております。
 他方、動物の保管に適正を欠くため、動物による人身被害等が生じ、また、動物により人が迷惑をこうむる事件も多く生じているのであります。
 従来、これら動物に対する立法措置といたしましては、文化財保護法、軽犯罪法、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律、狂犬病予防法等があり、さらに地方公共団体が各地の実情に応じて制定した飼い犬等取締条例等があります。これらの法令は、それぞれの制定目的等を異にしており、動物の保護及び管理について総合的、統一的な措置を講ずることは困難であり、十分にその実をあげておらない実情であります。したがいまして、動物保護の見地から、また、動物による人の生命等の被害防止の見地から、動物の保護及び管理についての総合的な措置が必要と存ずるのであります。
 欧米等諸外国におきましては、数十年前から動物の保護に関する法律の制定を見ているのであります。文化国家であるわが国といたしまして、また、わが国における動物の保護に対する国際的評価を改善する上からも、動物の保護のための法律の制定が急務であると考え、ここに動物の保護及び管理に関する法律案の起草案を作成した次第であります。
 次に、この起草案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、動物の保護に関する原則、すなわち動物の保護に関する基本的な考え方を国民の前に明らかにして、動物の保護に関する国民の心がまえについての指標を与えることとしております。このため、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、または苦しめることのないようにするのみではなく、その習性を考慮して適正に取り扱うべきことを明らかにしております。
 第二に、動物愛護週間を設けることといたしました。毎年九月二十日から同月二十六日までを動物愛護週間とし、国及び地方公共団体は、その趣旨にふさわしい行事が実施されるようにつとめなければならないこととしております。
 第三に、動物の所有者または占有者は、動物を適正に飼養し、保管することにより、動物の保護及び動物による人の生命等の被害防止につとめなければならないものとするとともに、地方公共団体は、条例で、動物の飼養及び保管に関し、必要な措置を講じることができることとしております。
 また、動物の保護のための具体的な行為、すなわち、負傷動物等の発見者の通報措置、犬及びネコの繁殖制限、動物を殺す場合の方法、動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置に関しても規定しております。
 第四に、都道府県または政令で定める市は、犬またはネコの引き取りを求められたときは、これを引き取らなければならないものとするとともに、国は、都道府県または政令で定める市に対し、予算の範囲内において引き取りに関する費用の一部を補助することができることとしております。
 第五に、内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の適正な飼養及び保管、動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置に関する基準並びに犬及びネコの引き取り、負傷動物等の収容及び動物を殺す場合の方法に関する必要事項を定めることができることとするとともに、これらの基準または必要事項を定め、または変更、廃止しようとするときは、動物保護審議会に諮問しなければならないこととしております。
 第六に、総理府に、付属機関として、動物保護審議会を置き、動物の保護及び管理に関する重要事項を調査審議することとしております。
 第七に、牛、馬、犬、ネコなどの保護動物を虐待し、または遺棄した者を処罰する規定を設けております。
 以上が本起草案の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞすみやかに御決定あらんことをお願い申し上げます。
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 このようにして、動物の保護及び管理に関する法律は、1973(昭和48)年10月1日法律第105号として成立しました。
 この1973年当時の立法趣旨説明において、「科学上及び医学上の研究実験の用に供される」動物、すなわち実験動物、そして動物実験について言及され、また、実験動物に並んで、食用、観賞用はもとより、愛玩用においてさえ、「往々にして適切な配慮を欠き、そのため動物に不必要な苦痛を与えて」いると説明しているのです。わたくしたちは、この事実を、重く受け止めなければなりません。
「人と動物の共生」と伴侶動物がテーマですが、人と人についても、深く思いを致す社会の到来を願い、本稿を終わります。


この1年、皆さまにはとてもお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2015年12月31日

「人と動物の共生」と伴侶動物(2)

動物の愛護及び管理に関する法律第2条
(基本原則)
第2条  動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
2  何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。

 動物の愛護及び管理に関する法律第2条の構造は次のようになっています。

 第1項は、
動物が命あるものであることにかんがみ、
「何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないように」
するのみでなく、
「人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うように」
しなければならない。

 第2項は、
何人も、動物を取扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、
「適切な給餌及び給水、必要な健康の管理」
並びに
「その動物の種類、習性等を考慮した飼育又は保管を行うための環境の確保」
を行わなければならない。


 第2条は、第1条の目的条項を、より具体的に示したものといえます。人と動物でつくる共生社会を実現するためには、動物の種類、性格、生理、習性などをよく知り、相手(動物)の立場に立って、住む環境を形成してほしいと捉えられます。
 以下は、わたくしとわたくしのパートナーキャットについて述べます。
 わたくしはメスのアビシニアンと暮らしています。遡ること12年ほど前、猫と暮らすことを考えたわたくしでしたが、当時は猫の知識はなく、猫の飼い方の実用書をいくつか読み、少しずついろいろなことを覚えていきました。そうして、わたくしの性格、生活スタイル、猫の種類、性別などを考え合わせ、アビシニアンのメスを探すことにしました。1年ほどを経過したある日、パートナーキャットとなるアビシニアンのメスの仔猫と東京都中野区のキャッテリーで出会ったのです。
 さて、このプロセスは、人の家族でいうなら、初めての赤ちゃんを家族に迎え入れるときに、母親教室(両親教室)などで、妊娠・出産・育児について、必要な知識や技術を学ぶことと違いはないことが分かると思います。猫がふだん歩くところに危険なものを置かない、猫がなめたり、口にしたりしたら危険なものは、猫がとどかないところに置く、といったことは、赤ちゃんや乳幼児に対することと変わりません。相手の「性格、生理、習性などをよく知り、相手の立場に立って、住む環境を形成」していくことがお互いを尊重し合うということの一つの表れではないでしょうか。
 ペットと人間が社会で共存するために必要なことというのは、人どうしがいっしょに暮らしていく際にも大切なことです。わたくしはこのことを、いっしょに暮らしているパートナーキャットから教えられました。ペットショップの店先で一目ぼれし、衝動飼いする前に、猫や犬はもちろん、それぞれの種類によっても、気質や特性が大きく変わることがあることを知っておくこと。これは、相手を知ること、心から相手のことを考えること。そこから互いに信頼が生まれ、たしかなきずなを感じながら、いっしょに暮らしていける。そのような社会がペットと暮らすことから始まればとただただ願うばかりです。

(次回に続きます。)

2015年12月30日

「人と動物の共生」と伴侶動物(1)

動物の愛護及び管理に関する法律は、人と動物の共生する社会の実現を目的に掲げています。そこで、第1条と第2条について、今回から3回にわたり、簡略に解説してみたいと思います。

動物の愛護及び管理に関する法律第1条
(目的)
第1条  この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。


 動物の愛護及び管理に関する法律第1条の構造は次のようになっています。

この法律は、
「動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資する」(目的1)
とともに、
「動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止」(目的2)
し、
もって
「人と動物の共生する社会の実現を図ること」
を目的とする。

 目的1は、人は、その自身の気持ちのまにまに、あるいは私利私欲のために動物を傷つけ、苦しめ、殺害したりすることなく、人の命が大切であるように、動物の命についてもその尊厳を守ってほしいという「情操の涵養」をうたっています。現在の我が国の国内では、自分のストレス解消のためそれだけで簡単に(しかし用意周到に計画して)人の命を奪ってしまう事件までも起きてきています。とても恐ろしいことです。

目的2は、動物によって人の生命、身体や財産に対する危害や損害を未然に防ぐために、動物の生理、習性などの動物の管理に関することがらを知る必要があることが示されています。
(次回に続きます。)

2015年12月30日

第一種動物取扱業申請手続(3)

週明けの11月24日(火)(前日は祝日)、「動物取扱責任者事前研修申込書」をFAXで送った翌日、11月25日(水)に、「動物取扱責任者事前研修について(ご案内)」の公文書が郵送されてきました。とても手際がよいと感じました。書類には、研修の流れ、研修当日に申請手続するときの確認事項などが書かれていました。研修修了時にテストを実施することも書かれています。時間がありませんが、再勉強することになりました。

 12月1日(火)の午後、「動物取扱責任者事前研修」がありました。研修が始まる前に、受付で研修受付とともに申請書を提出します。研修を受けている間に、職員が申請書の審査をするという手順です。申請書に不備や修正が必要な個所が見つかった場合は、研修の合間の休憩時間に職員から丁寧に教えていただけます。研修は第一部が関係法令、第二部が感染症、です。講師は行政職員と専門職員(獣医師)です。第二部終了後にテストがあります。研修生が設問に取組み、そのあとで、職員から答え合わせと解説があります。このテストを終えると、「動物取扱責任者研修修了証」が交付され、事前に申請書を提出して、申請書を正式に受理された人には、「第一種動物取扱業登録証」に記載する登録日(効力を発する日)などについて職員と打合せを行い(登録証が送付されるのは、登録日から1週間前後であることも、このときに伝えられます。)、この日は終了です。

12月7日(月)の夕方、東京都動物愛護相談センター業務係から登録番号についてのお知らせの電話がありました。
翌12月8日(火)に、東京都動物愛護相談センター業務係から登録証を発送した旨のお知らせのFAXがありました。
翌12月9日(水)に、「第一種動物取扱業登録証」が簡易書留で届きました。

 以上が、第一種動物取扱責任者研修申込から登録までの(わたくしの場合の)実例と、その解説です。手続き作業の開始から完了まで、2015(平成27)年11月19日(木)から同年12月9日(水)の間のできごとでした。
 実際に自ら手続きをして感じたことは、東京都動物愛護相談センター職員の皆さまがそれぞれ動物への深い愛情をお持ちであることが伝わってきたこと、そして、対応が丁寧で、かつとても迅速なことです。そして、このセンターの職員の皆さまは、動物取扱責任者となられる方々と直接接する機会(この研修のような)を大切にしているのではないかと強く感じました。人と動物との共通感染症については、愛するからこそお互いに(人と動物が)予防するのだ、という考え方、これは、研修を直接受けなければわからなかったことだと思います。東京都動物愛護相談センター職員の皆様にこの場を借りて謝意を記し、本稿を終わります。

2015年12月28日

第一種動物取扱業申請手続(2)

第一種動物取扱業の申請手続は、まず、動物取扱責任者事前研修の申込から始めます。東京都では、動物愛護相談センターに電話で申し込まなければなりません。そこで、2015年11月19日(木)に、東京都動物愛護相談センター業務係に動物取扱責任者事前研修申込について電話で問い合わせしました(以下「2015年」を省略します。)。電話では、東京都動物愛護相談センターのウェブサイトをじゅうぶん閲覧し、内容を承知しているか、申請する種別はどれか(販売、保管、貸出し、訓練、展示、のどれか、または複数の申請か)、動物取扱責任者事前研修を受講するための要件(該当事業所での6か月以上の実務経験者、愛玩動物飼養管理士などの有資格者など)を満たしているか、を質問されます。そのあとで、研修日の設定と、研修当日に申請書を提出するかどうか、申請に必要な書類、の話に移りました。一通りの話を終えて、これで申込が完了かと思われましたが、文書で申込むようにということで、文書の送付先を聞かれ、これに答えて電話は終了しました。

 翌日、11月20日(金)「動物取扱責任者事前研修申込書の送付」という件名の公文書が郵送されてきました。予定している屋号などを決めなければならなかったり、ちょうど連休があったりしたので、申込書の送付は週明けにすることにしました。

さて、週明けの11月24日(火)(前日は祝日)、「動物取扱責任者事前研修申込書」をFAXで送りました。

(次回に続きます。)

2015年12月27日

第一種動物取扱業申請手続(1)

当事務所に併設されているアーバンひだまりは、2015年12月23日に開設された、第一種動物取扱業〔種別:保管〕のペットシッター事業です。

 今回から3回にわたり、アーバンひだまり開設までにどのような手続を踏んだか、ご紹介と解説をしたいと思います。なお、このサイトでのご紹介は、東京都における手続の場合となります。他の道府県での手続については、以下のご紹介と若干異なることがあります。

 まず、手続を行うに当たって、東京都動物愛護相談センターのウェブサイトを閲覧し、じゅうぶんに確認します。もし、閲覧してもよくわからなかったときは、東京都動物愛護相談センターに直接問い合わせるか、動物関係法令に明るい行政書士事務所に相談するのがよいでしょう。

 動物取扱業には、第一種と第二種とがあります。第二種は、動物の譲渡、保管、貸出し、訓練、展示を非営利の業として行う者であり、たとえば、動物愛護団体の動物シェルター、公園等での非営利の展示などがこれに当たります。これ以外の営利性を有する場合は、すべて第一種動物取扱業となります。「アーバンひだまり」は、危機予防(予防法務)のうち、ペットと暮らす世帯の「見守り」に必要なペットシッティングを補完すべく計画していましたので、以下は第一種動物取扱業について述べます。

 第一種動物取扱業の登録申請を東京都知事に対して行う前提として、事業所ごとに動物取扱責任者を置く必要があります。動物取扱責任者となるには、動物取扱責任者事前研修を受け、修了しなければなりません。
 ただし、動物取扱責任者事前研修を受けようとする者(または、経営者が研修を受けさせようとする職員)が、次の受講資格を有していることが必要です。
(1) 登録のある事業所で実務経験が6か月以上あること、または、
(2) 学校その他の教育機関(犬の訓練学校、動物のトリマー養成学校、獣医師、高校(畜産科)など)を卒業していること、または、
(3) 環境省が認める、公平性・専門性を持った団体が行う試験によって、知識及び技術を習得していることの次の証明(資格)を得ていること(一例)。
 ・愛玩動物飼養管理士(1級、2級)〔公益社団法人日本愛玩動物協会〕
 ・公認訓練士〔公益社団法人日本警察犬協会〕
 ・実験動物技術者(2級)〔公益社団法人日本実験動物協会〕
 ・動物看護士(3級)〔公益社団法人日本動物病院福祉協会〕
 ・JAHA認定家庭犬しつけインストラクター〔公益社団法人日本動物病院福祉協会〕
 ・家庭動物管理士〔一般社団法人全国ペット協会〕
 ・愛犬飼育管理士〔一般社団法人ジャパンケネルクラブ〕
 ・公認訓練士〔一般社団法人ジャパンケネルクラブ〕
 ・家庭犬訓練士(初級、中級、上級、教師)〔一般社団法人全日本動物専門教育協会〕
 ・動物介在福祉士(初級、中級、上級、教師)〔一般社団法人全日本動物専門教育協会〕
 ・動物看護師(初級、中級、上級、教師)〔一般社団法人全日本動物専門教育協会〕
 ・トリマー(初級、中級、上級、教師)〔一般社団法人全日本動物専門教育協会〕
 ・グッドシチズンテスト(Good Citizen Test)〔一般社団法人優良家庭犬普及協会〕
 ・ペットシッター士〔特定非営利活動法人日本ペットシッター協会〕
 ・小動物飼養販売管理士〔協同組合ペット・サービスグループ〕
 ・認定ペットシッター〔ビジネス教育連盟ペットシッタースクール〕

 わたくしは、一級愛玩動物飼養管理士とペットシッター士の資格を有していることから、「(3) 環境省が認める、公平性・専門性を持った団体が行う試験によって、知識及び技術を習得していることの証明(資格)を得ていること」が適用されます。

(次回に続きます。)

2015年12月26日