ペットと減災

在宅時の対処
万一に向けた備え
猫と減災

在宅時の対処

地震発生時の行動心得5か条(在宅編 )
グラッときたら身の安全
 まず、自分自身と家族(ペットを含む)の身の安全を優先する(火を消すのは次の段階)。
 大きな揺れは、通常1分程度なので、あわてない。
 丈夫なテーブルや机の下に身をかくし、頭を保護する。
 トイレや入浴中のときの地震では、まずトイレ・浴室の扉を開けること。
落ち着いて火の始末をする
 火が出たら慌てずに、消火する。
 小さな地震でも火を消す習慣をつける。
 大きな地震の場合は、まず身の安全を守ることを優先する。
あわてて外に飛び出さない
 むやみに外に飛び出すのはとても危険。
 周囲の状況をよく確かめて、落ち着いて行動する。
戸を開けて出口を確保する
 特に、コンクリート建てマンションなどは、地震の揺れでドアがゆがみ、部屋に閉じ込められることがある。
 戸を開けて出口を確保する。
正しい情報で行動する
 災害時はデマなどに惑わされやすくなる。
 報道機関や区市町村、消防・警察からの情報に注意する。
地震発生時の行動マニュアル
グラッときた(地震発生0分~2分)
 大きな揺れを感じたら、まず身を守り、揺れがおさまるまで待つ。
 とにかく自分の身を守る(できればペットも)。
 グラッと揺れたら、まず落下物から身を守る。
 机の下に入る。
 クッション、雑誌などで頭を保護する。
 家具から離れる。
 ガラス面から離れる。
 また、普段から家の中の安全チェックをする。
 住宅用火災報知器も設置しておく。
大揺れがおさまった(地震発生2分~5分)
 台所やストーブなど火の始末をする。避難の時は、ブレーカー、ガスの元栓も切っておく。
 しっかり火の始末で、火災阻止。
火の始末のあと(地震発生5分~10分)
  家族の身の安全を確認、確保し、災害情報、避難情報を入手する。
  また、避難可能な出口を確保する。
  わが家の安全の確認、確保!
  自分の身の安全が確保できたら、次のことを行う。
  ・家族(ペット)の安全の確認、確保
  ・災害情報、避難情報の入手
  ・避難のための出口の確保
  ・ガラス片や転倒家具の注意
  ・親戚等の身内の安否確認に災害用伝言ダイヤル・災害用ブロードバンド伝言板・災害用伝言板を利用する。
外に出たあと(地震発生10分~半日)
 家や家具の下敷きになった人の救出や、消火活動を隣近所で協力して行う。
 隣近所の安否確認、助け合い!
 隣近所も同じように災害に遭っている。安否の確認をして、協力し合って、近隣住民の救出、救護にあたる。
 倒壊家屋や転倒家具の下敷きになっている人の救出
 火災発生時の消火活動
 けが人の救護
 けが人の救護のために応急手当の知識を身につける。
避難後数日間(地震発生半日~3日)
 地震発生後の数日間は、水、食料に加え、電気、ガスなどの供給が途絶える。この間、日ごろから、生活必需品(非常用品)を準備し、自分たちでしのげるようにしておく。
 2~3日分は自分たちでしのぐ必要がある。 伝言板・災害用伝言板を利用する。
  (参考)
   阪神・淡路大震災後のライフライン復旧日数
   水道:90日/都市ガス:84日/電気:7日
  生活必需品(非常用品)リスト
   ・飲料水(1人1日3リットル。ペット用の水も。)※
   ・食料 (赤ちゃんがいる場合は粉ミルク。ペット用も。)※
   ・救急医薬品類(常備薬も忘れずに)
   ・予備電池(携帯電話、携帯ラジオ、懐中電灯等)
   ・現金や貴重品
   ・保険証、電話帳(アドレスブック)
   ・下着類、タオル、ティッシュ、予備メガネなど
   ※食料及び飲料水は家族全員(ペットを含む)3日分が必要
復旧活動開始(地震発生3日以降)
 通常の生活に戻るために、ボランティアや行政機関との協力で生活再建と地域復興を進めていく。

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万一に向けた備え

避難用具
リュックとキャリーをいつもそばに
 非常時に備えてリュックとペットキャリーは、いつもすぐに取り出せるところに置いておきましょう。 キャリーは、飛行機に乗るとき、引っ越しのとき、動物病院に行くときのほか、避難所生活を余儀なくされることなども考慮すると、ハードキャリーのほうがよいでしょう。 リュックは、40リットル容量以上の大きなものを用意。 皆様のお宅では、非常時にすぐに持って出かけられるところにリュックとキャリーがありますか?
履きやすい靴を用意
 緊急時に備えて、履きなれているスニーカーやウォーキングシューズを身近に置いておきます。 いまお持ちでないときは、防水、耐滑の機能のある靴を選ぶとよいでしょう。 瓦礫や荒れた土地を歩く必要のある場合など、靴底の厚いトレッキング用の靴や安全靴が便利です。 安全靴は、最近では普段使いできる靴も出てきていますので、探してみてください。
診察券、ワクチン接種記録などをひとまとめに
 緊急時のために、また、普段のためにも、ペットの診察券、ワクチン接種記録、もちろんあなたの健康保険証などをひとまとめにしておきます。
自転車
 災害発生直後の避難は徒歩で、と一般に言われています。災害発生から数日経過してからの避難生活の場合、移動や運搬には、遠くまで行くことはできませんが、やはり自転車が便利です。そのなかでも小回りがきき運搬にも適しているのはママチャリです。 平常時であれば、電動アシスト自転車が便利なのですが、停電を伴う非常時には、バッテリーが切れればただのとても重たい金属のオブジェになってしまいかねません。ただし、最新の製品には、非常時に対応できるものも出てきているようです。停電時の自家発電装置も安価なものが販売されています。
迷子カプセル
 災害時に、愛猫とはぐれてしまったときのため、あらかじめ迷子カプセルを用意しておくと便利です。 通常ですと迷子札が思い浮かびますが、記入内容が限られてしまいますので、わたくしは、迷子カプセルを推奨いたします。
 迷子カプセルには、簡潔にまとめた「緊急連絡カード」を入れます。

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猫と減災



猫と減災
猫と交通事故
 猫はとても臆病なところがあり、危機に遭遇すると、その場に立ちすくんでしまい、その危機の場から逃げられなくなってしまいます。猫に交通事故死が多いのも、猫の習性によるものと思われます。
 東北地方太平洋沖地震後、かなり強い地震が頻発しています。強い揺れを感ずると、家猫さんも一瞬立ち止まったり、窓やドアが開いていると思わず外に飛び出すことが考えられますので、くれぐれも愛猫が危険な場所(道路など)に飛び出さないように、気をつけてあげてください。猫を愛しているなら、相手(愛猫)本人の性格はもちろん、猫一般の習性についても理解して愛してくださるようにお願いします。地震が1週間以上続いていることになりますと、人はもちろん、猫も精神的にまいってきていることでしょう。よろしくお願いします。

猫を驚かせない
 猫はとても臆病です。キャッテリー(またはペットショップ)から子猫を小さな籠(ケージ)に入れて、新しいお家まで連れてきて、彼/彼女を籠から出すとき、小さくまるまって、ぶるぶる震えていません でしたか。自分で籠から出てくれましたか。初めて彼/彼女がお家の床に立ったときの、なんと弱弱しいしぐさ。初めてあなたに会ったとき、彼/彼女は、あなたが言うより先に、あなたを見つめて「はじめまして(ニャー)。」と言ってくれましたか。
 猫は成長しても臆病です。大きな声や音で驚かしたり、怖がらせたりしてはいけません(そもそも、大きな声を出さなくとも、彼/彼女には聞こえています)。急に抱きかかえたりすることも控えたほうがいいと思います。ゆっくりとやさしい声で彼/彼女に話しかけましょう。

急に家を飛び出した猫が戻ってこないとき
 大きな地震などに驚き、急に家を飛び出してしまい、行方不明になる家猫も多いです。その際には、あまり家の遠くを探さずに、家の周囲や家のごく近くを根気よく探してみてください。家のすぐ近くの暗がりなどで身体をちいさくして避難していることがあります。家出ではありません、本当に怖かったのだと考えて、やさしく声を掛けてあげてください。

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猫と危機
喫煙と猫
 たばこがペットに与える影響については、受動喫煙でがんの恐れ、有害物質、床近く滞留、「危険3倍」、などと言われていますが、日本国内では、喫煙がペットに与える影響に関する研究はあまりなされていないようです。 調べたところ、武蔵野市と新座市にある動物病院のホームページに詳しい資料が掲載されていましたので、ご紹介します。
  喫煙と関係するペット(家庭動物)
  http://www.pet-hospital.org/kituen.html
  なお、この動物病院が紹介している各種情報は海外のものです。

猫に安全な部屋
 2011年3月11日(金)14時46分に起こった世界最大級のマグニチュード9.0・震度7を記録した東日本大震災、これに追い打ちをかけるように4月7日(木)23時32分に起こったマグニチュード7.4・震度6強という大震災後の最大の余震。
 猫を驚かせない、猫と交通事故、急に家を飛び出した猫が戻ってこないとき、でもお話しましたように、猫はとても怖がりです。普通の生活において怖がりですので、わたしたちがとてもとても恐怖を感じた東日本大震災、その後の大きな余震は、猫たちにとっても、とても恐怖を感じている自然の脅威なのです。 今後もマグニチュード8級のとても大きな余震に備える必要があります。
 もう一度、お住まいのお家、部屋を点検しておきましょう。点検は、おおむね次のところです。
  (1)家具などが倒れやすくなっていないか
  (2)家具の上に落ちやすいものをのせていないか
  (3)書棚に整理している図書は、落ちやすくなっていないか
  (4)猫の触れやすいところに、爪楊枝、箸、フォーク、ナイフ、包丁、ハサミなどがないか
  (5)猫の触れやすいところに、画鋲、ホチキスの針、裁縫針、金属片、ビニール袋、ポリ袋、レジ袋などがないか
  (6)コンセントに触れても感電しないようにしているか
  (7)家電製品のコードに猫の歯型などがないか
 ご覧になってお分かりのように、これらの点検項目は、人間の赤ちゃんへの配慮と変わりがないということです。今一度、室内を見回してみてください。

嘔吐と吐出
 猫、とくにドライフードを食べている猫の場合、ドライフードを食べた直後に、食べたものを吐き出すことがあります。獣医さんに伺ったところ、これは嘔吐とは呼ばず、「吐出」というそうです。ドライフードを噛まずにそのまま飲み込んだとき、胃の中でドライフードが水分を含んで膨張するので、そのため、食べたものを吐き出すことになるのだそうです。 一方、食事の直後ではなく、時間を問わず断続的に吐き出し、吐き出したなかに血が混じっていたりした場合は、これを「嘔吐」といって、至急、獣医師に診てもらう必要があります。

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